土壌微生物による様々な土壌改良の試み

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    そもそも造園や農業分野でいうところの「土壌」とは、風化した鉱物(無機)に生物が関与した結果出来上がったものを指します。そこに存在する微生物は非常に多様で、高温、低温、強酸、強アルカリ、酸素の多寡、栄養の種類、乾燥、湿潤などの環境条件に適した微生物が棲んでいます。ある特定の微生物について土壌中での作用などある程度解明されている部分がありますが、多様な微生物が拮抗しながらどのような作用を植物や土壌へ影響を及ぼすのかはほとんどわかっていません。特定の環境下における効能が得られても、環境条件が少し変化するだけで微生物相も変化してしまい再現性に乏しいといった問題があります。従って「○○菌農法」的なものはあまり信用していません。
    しかしながら、マメ科植物と根粒菌の関係にみられるように、土壌微生物と植物の共生関係は確かに存在します。ヒトの腸内には1.5kgの細菌が存在し消化や栄養吸収を助けています。うんちの重量のうち50%は微生物の死骸であるといわれています。これらのバランスが崩れると下痢をしたり病気になったりすることがわかっています。このように植物のみならず動物であっても微生物との共生関係を持っています。

    さて、土壌に話を戻したいと思います。造園工事においては土壌調査を行い、その良し悪しを判定し、必要な改良を実施することが多くなってきています。ただし現状では土壌の物理性と化学性に主眼がおかれ、土壌の微生物相にまで言及されることはまずありません。ただし多くの土壌の不具合は健全な微生物相を構築することで改善する可能性が非常に高いと考えています。ただし微生物による改良では、その結果がすぐに把握しずらいこと、時間がかかるため工期内で成果が得にくいことなどが敬遠されている理由であると思います。また農業においては収穫が目的ですから、それに見合う化学肥料、必要に応じた農薬散布が行われ、結果として土壌微生物相は貧弱なものであるといわれています。結果として病害や連作障害の原因となるばかりか、地下水の汚染問題なども生じつつあります。農業では土壌の作用をあらためて見直し有機栽培を試みる農家が僅かですが増えてきています。その有機栽培において重要な要素は品種選定と、土壌と多様な微生物をどう構築するかに主眼が開かれています。

    というわけで、当ブログ「カテゴリー:農業」をはじめたわけです。私が試みている方法は現地土壌や周辺に存在する微生物を活性化、多様化させるために、人為的に土壌に資材を混合します。○○農法は信用しない、とはいえ少量の菌や栄養素を使います。学問ではないので、実際に作物を栽培し効果が得られることを実証することを目的に御殿場に畑を借りにんにくの作付を行いました。来年の6月にどのような結果になるのかは判然としませんが、とても楽しみにしています。農業を通じ、得られた知見を造園や緑化に応用することが目的ですが、農業も少しずつ拡大する予定です。

    また土壌のみならず産業廃棄物、たとえば製鉄スラグや製紙スラジなども有機物と微生物作用で土壌化できるのではないかと試験を繰り返しています。

    写真はスラグに牛糞、米ぬかを混ぜたもので強アルカリのpH調整が目的です。
    IMG_2069.JPG

    これは強アルカリ下で培養された菌類も使います。
    IMG_2046.JPG

    これで1〜2か月培養してみます。
    IMG_2071.JPG

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