土壌の中和試験〜過リン酸石灰の中和はおすすめできません〜

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     ここのところ毎日50試料以上のpHを測定しています。pHが安定するまで1案件について1週間から10日程度必要なため、このような事態になってしまうのですが。
    基本的にはアルカリ土壌の中和が多いですが、今回は「酸性硫酸塩土壌」の中和試験も行っています。
    この土壌は地山内部にあるときは中性〜アルカリを示していますが、空気に触れると硫酸を生成し一気に強酸性になってしまいます。
    中和試験を行う場合も、前処理として過酸化水素水を加え加熱しながら強制的に酸化させています。




    アルカリ土壌の中和に「過リン酸石灰」はちょっと危険

    さて、本日終了した中和試験は「酸性物質の比較試験」です。自社で必要なデータ収集です。

    アルカリ土壌を中和する場合、様々な酸性物質についての質問が寄せられます。
    酸+アルカリ=中和 ですが、この反応で土壌中に塩類が生成されます。植物は塩類濃度が高くなると水が吸えないなどの障害(塩類障害)を経て枯れてしまいます。当社のドクターペーハーはこの塩類を水に溶けにくい物質に変えてしまうため、植物への影響を抑制しています。
    そこで今回は、よく質問される酸性物質の特性(中和能力と塩類生成)を把握するために中和試験を実施してみました。

    さて、結果をみると「過リン酸石灰」が想像以上に電気伝導度が上昇することがわかりました。中和効果も弱いです。
    硫酸アルミニウムは高くなるだろうとは思っていましたが、これよりも高い値を示しています。中和のために配合しても、塩類濃度が基準を大幅に超えてしまうことがあるので、これはちょっと危険です。

    「アルカリ土壌は過リン酸石灰で中和できる」と思っている方は配合量に注意してください。


    一方、酸性ピートモスはpH8前後の弱アルカリ土壌には効果がありますが、pH8.5を超えると厳しいですね。今回の土壌では土壌体積の40%を加えてもpH8.65程度までしか下がりませんでした。中和剤との併用は土壌にpH緩衝性を付与するので有効です。


    下図は試験結果をまとめた「中和曲線と電気伝導度曲線」ですが、詳細はホームページにアップしましたのでご覧ください。(ドクターペーハーのページ)

    東北地方の河川堤防:ドクターペーハー液剤散布 その後

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       東北地方で河川堤防に野芝を張るためにドクターペーハー液剤を散布していただきました。
      築堤にあたって土質を改良するためにセメントや石灰系の固化材が用いられることで、pH9.5〜10.5程度を呈していました。当社では中和試験を通じ、標準的に10倍〜15倍希釈液を3リットル/峪局曄併楾場所による)すればpH8.0以下に中和できる旨をお伝えし、この通り施工していただいています。

      1.2012年夏に散布、張り芝された場所
      4月初旬の東北地方は、まだ新芽がでるまでには至っていませんでした。昨秋には活着を確認していますが、表層土(芝下の地山2~3cm)を20gほど採取し、pHを測定してみました。
      この場所は、散布前にpH10前後を示していた場所ですが、今回の測定ではpH7.07でした。
      室内試験ではpH8.0以下としていましたが、芝の根が伸長しここ半年でほぼ中性域まで低減したのだと思います。
      詳細はこちらへ 
      http://www.inter-farm.co.jp/drph11.html

      2012年8月に施工した場所   表層2cmpH7.07



      根は十分伸長しています。根は二酸化炭素を含んだ雨水を土中にしみこませる隙間を作ります。
      根自体が24時間呼吸し土壌中に二酸化炭素を供給します。二酸化炭素はアルカリの原因物質である水酸化カルシウムを炭酸化しpHを低減させます。
      このような作用でこの場所は、pH10⇒中和処理pH8.0以下⇒降雨+植物の自浄作用pH7.07、といった流れで中性化しているものと推察しています。

      根張り状況



      2.本年度末に散布、張り芝を実施した場所
      撮影は施工後1~3か月経った4月初旬です。東北地方ではまだまだ冬枯れの状態です。
      しかし南面は暖かく、ちらほらと新芽が出始めていました。




      2箇所から表層2~3cmの範囲で20gづつ土壌を採取してみました。測定結果はpH7.86と7.69で改良目標の範囲内でした。
      (もともとpH10程度だったところを散布によってpH7.5〜8以下に中和する計画)
      今後、ここのpH値の経時的な変化を観察していく予定です。



      ・pH測定状況



      ・ドクターペーハー液剤の散布作業はまだ継続中です。
      早く芝生が活着し、災害に強い堤防になることを願っています。

      はじめまして

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      はじめまして。
      ホームページを刷新したので、その勢いでブログまで始めることになりました。
      現場での調査や実際の施工、改良の結果どのようになったか?などなかなかホームページで更新することが難しそうな内容を中心に発信していきたいと思っています。

      さて第一弾。
      昨年10月、大型ショッピングモールで散布した種子の発芽が思わしくないとの連絡を受け、現場へpH測定に行きました。現場はかつて農地であった場所に建築中で、おそらく全体的に地盤改良された結果アルカリになってしまったのでしょう、pH8.2〜9程度の範囲でアルカリ土壌が分布していました。問題は、一部で種子が発芽し生長していること、すでに植物の大半が植栽されていることで中和剤散布に問題がないか懸念されました。
      特に発芽した西洋芝に対して心配でしたので、15倍程度に希釈したドクターペーハー液剤を散布して様子を見ることにしました。

      左がドクターペーハー液剤の希釈液を散布した部分、右は水のみです。
      午前11時から午後3時まで様子を見ましたが、変色やしおれが全く見られなかったので「問題ない」と判断しました。


      全体として、発芽が良くない状況です。季節は10月中旬で申し分ないのですが。




      ということで、ドクターペーハー液剤を全体に散布することになりました。
      布散の結果、全体的にpH6.5~8以下の範囲に中和されています。


      それから5カ月後、4月初旬の状況です。西洋芝も生長しています。サツキ類はこれから葉を展開するところですが、まずまず問題なさそうです。
      ほんの少し表土を頂戴し測定しましたが、その場所はpH7.84でした。今後は植物の根の呼吸による二酸化炭素などの影響で徐々に中性域になると思います。


      来週は、昨年からドクターペーハー液剤を散布し、野芝を張っている東北地方の河川堤防の現場を視察しにでかけてみます。まだちょっと寒そうですけどね。




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